今年6月末から7月上旬にかけて、台風7号と梅雨前線等の影響によって日本国内の広い範囲で集中豪雨が発生、特に西日本で水害による大きな被害が起きてしまいました。特に大きな被害の報じられた岡山県倉敷市で比較的早い時期に現地でのボランティア活動に参加したメンバーのレポートです。
<ご注意下さい>
記事内容は活動当時のもので、現在は状況が変わっている場合があります。
各記事冒頭に明記しております「活動地域」と「活動時期」をまずご確認頂き、現状とのギャップがあり得ることをご認識のうえお読み下さい。
報告メンバー/吉見さん
活動地域/岡山県倉敷市真備町ほか
時期/平成30年7月25日~29日
知人と一緒に倉敷駅近くに宿をとり、倉敷市災害ボランティアセンターを通して活動しました。
<宿泊・アクセス>
宿はJR倉敷駅付近のビジネスホテルで、駅前の歩いて行ける範囲にコインランドリー、ショッピングモールアリオ、三井アウトレットがあります。
こちらはチボリ公園跡が見どころで、駅を挟んで反対側が美観地区の方とのことです。この辺りは、街は全く問題なく機能しています。
倉敷ボラセン(中国職業能力開発大学校)までは、車もしくは電車で移動します。車の場合は土日は駐車場と受付が変わります。
平日、通勤時間にあたるため、渋滞が多少ありますが、7時前などの早い時間に走るなら大丈夫です。
電車なら新倉敷駅からボラセンまでのシャトルバスが出ています。夏休みなので、電車内は比較的混んではいません。車で行くより電車の方が楽でした。
ボラセンは元々「中国職業能力開発大学校」なこともあってか、すぐ近くにセブンイレブンがありますが、朝は大変混雑しています。
またボラセンにて、もし自分が足りない装備があれば、わけていただけます。うちわなども配っています。因みにボラセン内に更衣室があります。
<倉敷災害ボラセン・一日の流れ>
受付後、説明があり、5人1グループで班を組み、リーダーとタイムキーパーを決めます。現場では20分活動して10分休憩です。暑いのでだいたい13:30か14:00には作業終了して帰路につきます。
★編者注:今夏の記録的な猛暑による熱中症の予防策として、社協運営の多くのボラセンが上記のような活動ペースの管理と午後早めに活動を終わるスケジュールを取り入れていたようです。
現場でトイレが無い所もあります。 心配な人は、携帯トイレがあってもいいかもしれません(でもほぼ汗しかでないけど)。
倉敷市下水道部のサイトに仮設トイレのマップがあります。
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/item/117024.htm
真備まではマイクロバスで移動、真備サテライトでグループ単位にわかれ、現場までの送迎車に乗り換えます。場所により歩いて移動の場合もあります。
サテライトには資材貸し出し、洗い場、仮設トイレ、救護所、飲料配布所があります。
資材はわりと充実しています。また派遣先の個人宅にもかなりの確率でスコップやパールなどがあり、貸していただけます。
私達はスコップとテミを持参していったのですが、いま泥出しの依頼があまりないのか、使う機会はありませんでした。
帰りはサテライトかボラセンにて長靴など消毒させてもらえます。
みんなでバスにのり、倉敷ボラセンに帰ってきたら解散です。
リーダーのみ、サテライトかボラセンにて活動報告をしたら終了。
<活動1日目~3日目>
現場は主に真備という地域でした。町村合併したところなので範囲が広く、また決壊した場所がたくさんあるため、地域によって浸水の程度が違いました。すり鉢状の地形のため、避難した方が山の上から見おろしたら、町がため池のようになっていたそうです。
現地の方々は沢山声を掛けてくださいます。差し入れもいただきました。
時折笑顔になってくださいますが、全体的に年齢層が高めなうえ、何から手をつけていいかわからないような状態のなか、かなりお疲れになっている方が多く、心配です。
遠慮をされているのか、どこまでボランティアに依頼していいものかも判断がつかず、迷っておられるような感じも受けました。
1日目…真備町有井
浸水は床上1メートルの古い住宅
作業は床板と土壁剥がし
2日目…真備町箭田
ほぼ浸水したかなり大きな住宅
作業は納屋の二階からむしろを降ろす、車庫と農機具小屋の泥出し
(2チーム10人で作業しました)
3日目…真備町岡田
2件の依頼
①ピアノ搬出。床下に消石灰を撒く
②床下のシート剥がし、壁の断熱材剥がしなど
床や壁は一見綺麗に見えていても、断熱材が水をすって、壁の内部はカビだらけになっていました。
<活動4日目>
4日目となる28日は台風接近のため、倉敷市では活動がありませんでした。
総社市で28日のみ市役所付近の物資の仕分けなどがあったので、地元の方に混じって参加させていただきました。
作業内容
・物資の仕分け
・台風に備えて土のう作り(男子のみ)
シャッター付きのガレージが並んでいて、そこに物資が置かれています。
総社市はフリーマーケット形式で支援物資を被災した方々に選んでもらっているそうで、我々が仕分け作業をしている側で、被災者さん達が欲しいものを探しに来られていました。
仕分けは、なかなか不毛な作業でした。物資は山のようにあるのですが、一部不要品?に思われるものもあり、腹立しさを感じました(古着の片っぽの靴下や下着とかいらんねん)。
しかし中には新品のものが大量に送られて来たり、被災地の方々に向けた励ましのメッセージがついていたりして、嬉しくなりました。
私達のように、倉敷から流れてきたボランティアに加え、現地の高校生たちも参加していた為、当日の参加人数はかなり多かったです。余談ですが普段から岡山県?倉敷市?の公立高生は何時間かのボランティア活動が義務づけられているそうです。
ただ残念なことに、作業内容の説明や、人員のグループ分けが全くできておらず、仕分け済みの商品をまた仕分けしていたりと段取りが悪く、時間の無駄が多かったです。
また、ベビー用品とベビー服、子供服が別々の場所に配置されていたため、置き場が重複したりして仕分ける側も困りました。
色々と混乱はありましたが、毎日来られている方を中心に声をかけあって、だいたいの目処がついたところで帰りました。
雨がポツリポツリとし始めていたので間に合って良かったです。
最後にプラケースが出て来て、中を開けたら作業に必要なガムテープやマジック類が出てきて愕然としました。
「毎日違う人が来るから…」と、地元から毎日参加されている方がボヤいていたのはこういう事か。
なんだかもっといいやり方があればなぁ。
★編者注:なお、総社市のこの「フリーマーケット形式」の支援物資の配布方法は、メディアでも取り上げられました。>「朝日新聞DIGITAL」2018年8月1日付
ココイチさんがキッチンカーで来ていて、我々ボランティアにも無料でカレーをふるまってくださいました。ありがたいですね。
<活動?5日目>
幸い台風は駆け足で通り過ぎて行ったので、台風一過の一日を倉敷観光に充てました。見どころ多くて時間足りんかった!けど満足。
これで私達の活動報告は終わりです。
まぁ4日間だけでも活動できて良かったです。
2018年10月現在、未だにボランティアは必要とされていますが、平日の人員が不足しているようです。
まだまだ継続的な支援が必要だと、改めて感じています。
当レポートは報告メンバーのFacebookへの投稿をもとに、メンバーの許可を得て編集・転載したものです。